おーい、おーい、こっちには蜜がたくさんあるよ?

よく生産者と話をしているとミツバチの話題になる。
こっちの品種にはミツバチがよく訪花するが、あっちの品種にはあまり訪花しない。
「花粉がよくでるから、ミツバチもよく飛んでくるんだ」という話も出てくる。
これに関して疑問に思っていたが、ようやく解決ができた。

ミツバチはイチゴの花の存在を花弁の紫外線吸収とがく片の紫外線反射の差で認識しているという。
紫外線をたくさん吸収して、反射しないものに、ミツバチはよく訪花する。

オニベビイチゴの花(可視光)
オヘビイチゴの花(可視光)

オヘビイチゴ(紫外線写真)
オヘビイチゴ(紫外線写真)

(参考)オヘビイチゴの花の可視光と紫外線写真の比較(画像提供:福岡教育大学 福原達人教授)
    ミツバチなど紫外線(近紫外線含む)が見える昆虫には、人の目と違って見えている

では具体的にどんな品種が良く見えて、どんな品種が見えないのか?

ミツバチによく見える品種とそうでない品種の一部を一覧にしてみた。

よく見えるさちのか、宝交早生、女峰
まあまあ見える紅ほっぺ、かおり野、よつぼし、紅ほっぺ
あまり見えないさがほのか

花がよく見える品種の方へミツバチは行く可能性と推測されるから、ミツバチによく見える品種とあまり見えない品種を同居させるのはよくないとも考えることができる。

ミツバチの訪花でみると「さちのか」と「さがほのか」は相性が良くないともいえる。

ところで、
ミツバチにはイチゴの花が黒く見えているほうが良いようであるが、私は白い花の方が好きである。

参考文献:柳ら. 2020. 園学研. 19 別1. 115