おイモの季節到来!
Drサカグチのひとり言を初めて、この11月で4年目を迎えた。
4年目と言えば、いろいろ慣れてきて、冒険もしたくなるお年頃。
ということもあり、今回はかなり大げさな題名になっている。
ひとり言が多いのは、自慢になることではないが、「サツマイモ」のひとり言は前回の1回きり。
敢えてサツマイモを避けてきたわけでない。
「サツマイモ」への情熱も「イチゴ」と同じだけ持っているのに・・・
ハロウィンスウィートは日本で流通しているサツマイモ品種の中では珍しいオレンジ色の果肉をしている。
ハロウィンスウィートは高系14号の派生ということであるが、黄白色の果肉がどうしてオレンジ色になったのかと疑問に持っているのはサカグチだけでないと思う。
これはどうやらカロテノイド酸化開裂酵素(carotenoid cleavage dioxygenase 4、以下CCD4)の働きが関係しているようである(Zhang et al. 2023)。
つまりハロウィンスウィートでは何らかの原因でCCD4遺伝子があまり発現せず、カロテノイドを分解する酵素が働かないため、オレンジ色になったと考えることができる。
余談になるが、CCD4というのば、サツマイモだけでなく、ジャガイモ、モモ、パインナップルの果肉やキクの花色のカロテノイド分解に関係しており(Zhang et al. 2023)、これの働きで果肉や花色が黄になったり、白になったりするようである。
さらに、サツマイモではCCD4遺伝子が高温や乾燥といったストレスに遭遇した時に発現が増加する遺伝子である(Zhang et al. 2023)。
サツマイモの長い年月の進化の過程で、温暖化含め、植物たちにとっても住みにくい環境に対して、適応するために獲得した能力で、その能力と引き換えに、黄から白に替わってしまったと自分なりには納得した。
ハロウィンスウィートは目の健康に必要なビタミンAの元となるβカロテンを多く含む。
サツマイモは、乾燥・暑さに強く、やせ地でもつくれる作物であることはご承知のとおり。
ハロウィンスウィートはおいしく、健康に、さらに地球の食料事情を救ってくれる品種ということになる。
ところで、
ハロウィンスウィートと命名したのはこだわりと癖の強さがNo.1の大先輩。
冗談半分で、「ハロウィンスイート」と言うと
関東出身のはずが、「なに間違っとるんじゃ、しばくぞ」と関西人張りの強いツッコミ。
ハロウィンスウィート、「イ」ではなく「ウィ」でありますから。
みなさんもご注意を。
引用文献 Zhang et al. 2023.
Integrated metabolic and transcriptional analysis reveals the role of carotenoid cleavage dioxygenase 4 (IbCCD4) in carotenoid accumulation in sweetpotato tuberous roots.
Biotechnology for Biofuels and Bioproducts 16:45.