「・・・放題」という言葉は、誘惑めいた魅力的なコトバである。
「ビール飲み放題」「焼肉食べ放題」「・・餅(山梨で有名な信玄という名前が着く)入れ放題」などを目にしたり、耳にするとトキメクものがある。サカグチは「・・・放題」の誘惑に負けることが多く、ほぼ全戦全敗。ついつい食べ過ぎ、飲み過ぎで後悔を繰り返し、懲りないのである。
ところで、今回のキーワードは「・・・放題」
冬場の「イチゴ果実のならし放題」とした場合に、どのようになるのかを考え、その対策を考えたい。
では冬場にイチゴの果実をならし放題にするとどういうことが起こるのか?
日射量が少ないこともあり、光合成量が少ないにも関わらず、果実の方に光合成産物が分配され、その結果、根の生育が抑制され、葉が小さくなり、中休みいわゆるなり疲れが起こり、収穫量が減少する(斎藤ら. 2022)。
ではこれを防ぐにはどうしたらよいのか。摘花(果)というのが解決方法の一つである。これにより果実と根や葉への光合成産物の分配を調整できる。
では具体的にどのようにするのか。当然品種やなり数にもよるが、おおむね7~8花残すように摘花することが多いのではないだろうか。しかし、7花、8花と数えながら作業をするのは難しい。話しかけられて「何花だったっけ」ということもたびたびである。
そこでサカグチはひまごにあたる枝以降の花を摘花(果)するとだいたい適切な摘花(果)になるように思う。
摘花(果)の仕方
摘花(果)の実際
さらに摘花(果)の効果は糖度が高くなり、1果重が重くなる効果もある(平成18年度さがほのか栽培指針)
カウントといえば、過去に苦い経験がある。
その経験とは学生のころ、タイムキーパー担当と観察担当を2人1組で交代しながら実験を進めていた。どういうわけかサカグチがタイムキーパーするたびに、「クスクス」と笑い声がする。最初はまったく気にしていなかったが、どうもおかしい。いろいろ考えたが原因はつかめない。
ついにその原因にたどり着いた。カウントダウンに原因があった。3、2,1,0と数えるが、サカグチはサン、ニー、イチ、デロ(リズムをつけて)。デロと言っていた。「ゼ」と「デ」の発音の区別のつかない土地柄に育ったことが原因であった。それから注意してカウントダウンをすると、クスクスはなくなった。
引用文献
齋藤容徳、家中達広、手塚純平、岩崎泰永. 2022. イチゴの光合成量と着果負担量の推定. 園学雑 21 (2) : 205-211.
平成18年度版「さがほのか」栽培指針. p20